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zoom RSS 実践知 -- エキスパートの知性  金井 壽宏 楠見 孝 (編集)

<<   作成日時 : 2016/01/27 23:21   >>

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仕事などで経験を積み、
自分を進歩させる方法について知りたくて読んだ。

いわく、

仕事の場におけるスキルの獲得には、意図的な経験の反復による練習と無意図的な経験の反復によるものがある。初心者の練習においては、、指導者や同僚が、望ましい行動をほめたり、(目標の達成度などの)結果の知識が得られるようなフィードバックを与えることが重要である。一方、指導者がいない練習であっても、学習者自身が自分の行動をモニターし、コントロールすることはできる(たとえば、結果を振り返って、自分をほめたり、行動を修正したりする)。こうした練習において大切なことは、単純に練習を反復することではなく、熟慮を伴う練習をすることである。これは事前に達成に向けて長期的計画を立て、日々の努力と適切な結果のフィードバックをもとに、学習者自身が結果の省察(振り返り)を行うことである。p43

経験を素通りさせるのではなく、経験したことの意味を考えて、それを上積みしていくような省察のプロセスを身につけている看護師が、次のステップへ上がっていくことのできる看護師なのだと思われる。p210

ということで、
難しく書かれているけど結局は、
目標を立て、経験して、よく考える、ということを繰り返す、
しかないのだなと思った。


以下、
本書より参考になったと思うところ。

中堅者のうちで、領域および下位領域の膨大な質の高い経験を通して、特別なスキルや知識からなる実践知(とくに言葉にはできない暗黙知)を獲得した者が熟達者である。これは、すべての人が到達する段階ではない。p37

もう一度、

すべての人が到達できる段階ではない



狭い領域の単なる反復練習で獲得したスキルでは現実の課題で行き詰ることもある。そのためにも、省察の結果に基づいて新たな課題に挑戦するための練習が、広範な熟達化のためには必要である。ここでは、省察を行うのみならず、新たな挑戦をするなどの態度が、経験から学習するための鍵となっている。p43

ここでも、
もう一回繰り返しておく。

新たな挑戦をするなどの態度が、経験から学習するための鍵



仕事、とくにホワイトカラーの管理職は、複数の職場での経験によって、複数領域の概念的知識やスキルを身につけたジェネラリストとして熟達化する必要がある。そのためには、異なる領域に、もっている知識やスキルを転移して活用する類推による学習が重要な役割を果たしている。p44

有能な管理職の特徴としては、新しい仕事を好み、柔軟な対応が得意である。また40代で管理職に昇進した人は、上司、同僚、部下と上手くやっていくノウハウをもっている。30代で管理職への昇進を期待されている人は、挑戦性が高く、類推思考を行っていることがわかった。p47

ポイントは、
新しいことに挑戦し、過去に経験したことから類推して考えることができること。



「省察」の種類

振り返り的省察
過去の体験に意義や意味を解釈して深い洞察を得ることである。たとえば、仕事が終わった後、あるいは一週間ごとに、振り返ることは、経験から学び、教訓を得るためにも重要である。p48


見通し的省察
未来に向けて、実践の可能性についての考えを深めることである。とくに、失敗から学ぶ場合は、第一の振り返り的省察に基づいて、プランを修正し、行動を改善することが重要である。また、自己に対する洞察を深め、経験によって成長した自分の姿を思い描き、今後の活動に生かすことも有効である。p48


仕事の場のような動的に変化する複雑な状況においては、省察しながら柔軟に対応する省察的実践が重要である。省察的実践とは、実践を進めながら、意識的、体系的に状況や経験を振り返り、行動を適切に調整して、洞察を深めることである。p49

過去の経験から学んだことを次に生かす、
ということは少しはできそうな気がするけど、
「経験によって成長した自分の姿を思い描く」というのは、
難しいかなと思う。

理想となるような人が自分の身近にいたら、
思い描きやすいかもしれないけど。



リーダーを育てることと「持論」について

ここでさっそく強調しておきたいことは、次の四点に要約される。結論を先取りするようだが、@リーダーを育て、育成の仕組みを作るのはリーダーの役割の一つということ、Aリーダーは、研修だけで育つのではなく、自分を鍛えてくれたリーダー(育ての親リーダー)の薫陶を受けながら経験からリーダーシップを学ぶということ、Bその学びは、育ての親リーダーが自分なりのリーダーシップの持論を言語化し、それと言行一致した行動をとるときに最も促進されるということである。もう一つこの章で注目するのは、C研修以上に、Aの経験と薫陶が大事だという点である。これから明らかになることの一つは、人事と教育を結びつける必要性である。人事とは、誰のもとでどのような経験をさせるのかという人事異動の問題として関わっている。p62

実践家の持論は、言語化されることがなければ、日常の実践における暗黙知でもある。自ら自覚し、他人に伝えるためにも、もっているはずの知識が少しでも言語化されていくことが肝心なのである。そのためには経験と合わせて、省察、対話が大切になってくる。このような観点から見ると、人を感化し、教え導く薫陶とは、ただやみくもに「鍛える」というものではなく、「経験させて、その経験の意味を本人にも省察させつつ、対話の相手になる」ということである。p67

直接薫陶を受けた上司やトップがすごいリーダーなら、その人からリーダーシップの発揮の仕方を学べるというが、その観察学習の効果は、トップが持論をもっているかどうかで変わってくる。この上司やトップがリーダーシップの持論を、リーダーシップを学ぶ部下の管理職にも、わかりやすく、また、覚えやすい原理・原則として公言している場合には、はるかに学習しやすくなる。p137

まとめると、
「持論」を持っていて、その「持論」に基づいて行動でき、他者にもその「持論」が語れるリーダーのもとで薫陶を受けることが、
もっともよいということだな。



二種類の目標について。

目標達成志向の信念は、目の前の販売業績を高める力があるのに対し、顧客志向の信念は、現在の販売業績を高める力はないものの、経験から学習する能力を高め、将来の販売実績を高める力をもつ、と解釈できる。顧客志向の信念が学習を促進するのは、仕事で出会うさまざまな顧客の問題を解決するには常に新しい知識やスキルを獲得しなければならないためであると考えられる。これまでの筆者の研究では、営業担当者だけでなく、ITコンサルタントや看護師も、顧客志向の信念と目標達成志向の信念をもっていることが明らかになっている。この事実は、自分のために働くことと、他者のために働くことを両立することが、エキスパートの成長につながることを示唆している。p118


「目標達成志向」は、販売実績を伸ばすなどの効果があり、
「顧客志向」は自己の成長につながる、
ということかな。

看護師としては、そもそも「顧客志向」のほうが強いような気がするけど、
それを目標とすることが、やはり大切なのだと思う。



エキスパートになるためのモチベーションについて

プレーヤーとしてサッカーがうまくなるのと、監督、コーチとして、プレーヤーと接するのとは、どこに違いがあるのか。バーンアウト(燃え尽き症候群)の研究にヒントがある。ソーシャルワーカーやカウンセラーなど、人を扱うことを仕事の根幹におく職種から、バーンアウトが発見されてきたという事実である。管理職になるということは、分析もするし、計画もするし、理詰めに論理的思考もする。課題面の行動だけですめばよいが、実は、仕事の半分は、部下たちをはじめ、人との関係を扱うことが主となる。計画作りに頭を使ったときの疲れはむしろ心地よいことさえあるが、人との関係に気を遣った日には、燃え尽きるところまでいかなくても、ミニバーンアウトするであろう。p142

リーダーシップを発揮するためには、周りの人々を動機づける持論が必要になるが、それ以前の段階でも、自分自身を自分で動機づけるためのモチベーションの持論が必要である。ここまであげた二つの要因、緊張に訴える方法、希望を想起する方法は、持論の構成要素でもある。絶えず、この程度の達成水準のままでは終わりたくないという緊張感と、練習の工夫と努力によってさらに上をねらえそうだという実現可能な希望をうまくブレンドさせて、熟達化のモチベーションを自己調節できる人が、エキスパート、さらには創造的エキスパートのレベルまで辿り着くのであろう。p315

達成動機の高い人は、達成のために支援が必要ならうまく支援を得られることが知られているが、そういう人は、もっと高いレベルまで熟達しようという意欲が落ち込んでしまいそうだというときにも、誰にどのような助けを求めるかを適切に選ぶことができる。したがって、関係性の中のモチベーションもまた、自己調節の経路となりうる。p317

熟達への道を継続的に歩むモチベーションを維持できる人は、落ち込みそうになったときには、自分を指導できる人や切磋琢磨できるライバルとの関係をうまく使っている。p317

リーダーは、
人間関係で疲れながらも、
自分自身を動機づけ、周りの人を動機づけていかなければならない。

大変な役割だなと思う。

まずは私としては、
自分のモチベーションを維持できるような「持論」と、
落ち込みそうなときに助けてくれる人を、
見つけないといけないなと思う。



最後にもう一つ。

社会人になるまでの学校時代に、二、三の領域で打ち込んだん結果、かなりの達成水準に達した経験をもつ若者は、社会人になって仕事の場での実践知の獲得に戸惑うことは少ないであろう。p295

大学で一芸入学とかやっているのは、
こういうことかなと思った。

若いうちから何かに打ち込むということは、
大切なことなのだな。

自分の子供にも、何かに打ち込んでほしいと思うけど、
なかなかそうなりそうもない。




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