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zoom RSS 高齢者の終末期医療を考える―長寿時代の看取り 増田 寛也ほか

<<   作成日時 : 2016/04/21 07:58   >>

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この本の感想の続き。



家で死ぬということは、最後まで自分が主人公でいられる。過剰医療をさけることができ、苦痛を軽減できる。家族は、看取りをやり遂げた達成感を持つことができる。p23

達成感があるのは、
やはり大変なことでもあるから。

家で看取るということがまだまだ少ない現在では、

なんで病院に連れて行かなかったの!

と、言うようなことを言う外野の人が現れたりして、
そういう面でも苦労があると思う。



日本は診療報酬上、緩和医療の対象疾患は癌とエイズのみであるが、WHOは認知症を含む死に至るすべての疾患を対象としている。p29

死に至るすべての疾患が対象とされるといいなと思う。



「ハリソン内科学」(アメリカの内科学の教科書)の第一章には、「緩和ケアと終末ケア」という項目があり、そこには「死期が迫っているから食べられないのであり、末期の段階で食べないことが苦痛や死の原因になるわけではない」「末期の脱水は症状が出る前に意識を失うため苦痛はない」(日本語版第3版)と書かれている。日本の内科学の教科書には、終末期医療に関する記述は見られず、医学教育の違いがある。p29

そもそも医師に対しても、
終末医療に関する教育がなされていないわけだな。

一般の人が知らなくても当たり前だろう。



アメリカのオレゴン健康科学大学病院は、1991年に「生命維持治療のための医師指示書(通称POLST)」を開発した。
POLSTは、終末期に行う生命維持治療について、医師と患者が事前に話し合い、その合意事項を医師が医療機関に指示する文書である。患者に判断能力がない場合は、医師と代理人が決定する。患者と医療機関が別々に保管し、法的効力がある。
一方、終末期に希望する医療を表明する手段として「リビング・ウィル」や「事前指示書」がある。しかし、医療のことを知らない素人が作るため、希望する医療の内容が曖昧であったり、家に保管しているため、いざという時に役立たないことが多い。その点、POLSTはチェックシートになっているので、本人が希望する医療措置が医療者に明確に伝わる。そのため、現在はアメリカのほとんどの州で使われている。p30


日本でも必要な仕組みだろうと思う。

しかし現状は、

日本では、2008年4月に「後期高齢者終末期相談支援料」が保険収載された。これは、後期高齢者に限り、患者と医師と家族が終末期の治療方針を話し合い、それを書面にした場合、診療報酬が支払われるというもので、日本版POLSTであった。しかし、「高齢者は早く死ねばいいのか」「本人が意図しない意思決定が迫られる」などマスコミを中心に世論の反発を受け、わずか3カ月で凍結されてしまった。p30

というような状況で、
すぐには取り入れられそうもない。

確かに、医師や医療者に、
終末期のことを考えてくださいね、
と言われてから考えるとしたら、
それは本当に本人の意図なのか?
とも思えてしまうけど、
誰かに促されることなく自分の終末期について深く考える人が、
どのくらいいるのだろうかとも思う。

自分の終末期について考えるようにすすめる人は、
終末期の医療を提供する側の人間は適さないのかもしれない。

医療者が考える理想的な終末期というのは、
それを実際に経験する人の理想と一致しているかどうかわからないから。

しかし、
終末期を最後まで経験した人というのはすでにこの世にいないから、
実際のところを知るすべはない。

少なくともそれに近いことが話せるのは、
身近な人を看取った遺族の方かなとも思うけど、
自分の周りにそういう人がいないければ話を聞くこともできない。

たいていの人は、
自分の周りの人が亡くなったときにことを見たり聞いたりして、
自分の死について考えるのだな。

でも日本では、
死のことは隠される傾向にあるから、
死や死ぬまでの状況を詳しく知ることが難しかったりする。

日本の終末期医療がいまのように混乱しているのは、
死をできるだけ遠ざけて隠して来た、文化的な影響もあるのかなと思う。


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