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zoom RSS 死亡直前と看取りのエビデンス  森田 達也 (著) その4

<<   作成日時 : 2017/10/29 22:33   >>

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この本より。

4回目。

輸液:する?しない?と輸液の価値 p41

エビデンスの要所

終末期の水分動態の本態は、膠質浸透圧の低下と細胞膜透過性の亢進による血管内脱水である(静水圧=輸液量だけで規定されるのではない)

患者の口渇は、血液の濃さ(浸透圧)、血管内の水分、口の状態(口呼吸、口内炎)で決まる。輸液量は口渇の1つの要因でしかなく、口渇は輸液以外の方法で緩和できる

輸液量が非常に多い(1000ml/日以上)ことは腹水や浮腫を悪化させる。気道分泌やせん妄には大きく影響しないようである

余命が週単位になったときの1000ml程度の輸液は症状と生命予後に影響しない。従来言われていた、せん妄の予防効果はないようである

輸液について患者家族の意味づけはいろいろである

輸液についての家族のつらさは、家族自身の自責感、脱水のほうが苦しいという考え、輸液以外の気持ちを聞いてもらえることで決定される



臨床でのボトムライン

多すぎる輸液(1500ml/日や2000ml/日)は体液過剰による苦痛を強めるので、やや絞り気味にするほうがよい

少量(500ml〜1000ml/日)の輸液を行うかどうかは、症状をどうするかということよりも、患者・家族の価値観を重視する必要がある

脱水のほうが苦しいという考えに対する説明と、家族の自責感に気づくことが重要である




輸液の量のところは看護師がどうこうできる部分でもないので、

輸液について患者家族の意味づけはいろいろである

輸液についての家族のつらさは、家族自身の自責感、脱水のほうが苦しいという考え、輸液以外の気持ちを聞いてもらえることで決定される


脱水のほうが苦しいという考えに対する説明と、家族の自責感に気づくことが重要である

ということについて、
知識を持ち、必要に応じて説明できるようにすることが、
たいせつだなと思う。



輸液が多すぎるとむくみがひどくなったりする。

逆に輸液を減らすことを選択した場合には、
家族の人などにとっては、その現実を受け止めることはつらいことだし、
輸液を減らしたことで、死期を早めたり、苦しみが増しているのではないかと感じられれば、悪いことをしたような気持になることがある。

そのように感じていると思われた場合に、看護師としては、
そうではないのですよと、
伝えられないといけないだろう。



たくさんの輸液がむくみを悪化させ、
症状を改善させる効果をえられない理由については、
以下の部分の記述が勉強になった。

水分の移動は、静水圧(輸液量です)、膠質浸透圧(おおむねアルブミンの量です)、細胞膜の透過性(炎症反応です)で規定されます。終末期では、悪液質のために炎症反応が上がって細胞膜の透過性も亢進し、アルブミンが低下して膠質浸透圧が低下しているわけです。ですから、たいていの患者では、低い膠質浸透圧と高い細胞膜の透過性のために、血管内から血管外に水分が漏れだして胸水・腹水・浮腫となり、血管内脱水の状態を作ります。レニン高値、ANP・BNP低値はこれを示しています。輸液量で調節できるのは静水圧だけですから、低い膠質浸透圧と高い細胞膜の透過性の状態では、輸液量だけを調節しても、肝心の水分が血管内に留まってくれずに症状としては変わらないことになります。p53

ちょっと難しい内容なので、
このことを患者さんやその家族に理解してもらうことは、簡単なことではないだろうな。



私としては、
終末期の患者さんにむくみがでてきて、点滴が比較的少なめに投与されているような場合で、
むくんできたことや、点滴の量が少ないことを気にされている患者家族の方などには、
たいてい以下のように説明しているけど、
完全に正確とも言えないかなとは思う。

「むくみは、血管から水分が外に出てしまって、そこにたまることでおこります。

点滴を増やしても、血管の中に入った水分は血管から外に出てしまい、むくみとしてたまってしまいます。

一方、利尿薬を使うと、血管の中の水分は外に出すことができますが、むくみとしてたまっている水をすぐに外に出すことはできません。

なので今は、点滴を増やすことも、利尿薬でむくみをなくしたりということも、難しい状態にあるといえると思います。」





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