日野原先生からナースに贈る35のメッセージ 16.かたくなな態度をとる介護者だとしても・・・
この本より。
メッセージ16
かたくなな態度をとる介護者だとしても心を開かせることはできるはずなの。
本文より
「訪問看護師は家の中に入るので、たとえ、かたくなな態度をとる介護者だとしても、やがて心を開かせることができるはずなの。それには、誠実にゆっくりと穏やかに接することが大切になるね」
忙しい看護師の頭の中には、
”効率”ということが強く刻まれていて、
”ゆっくりと”という部分がなかなか腑に落ちないのかなと思う。
世の中全体も、
”効率”ということが重要な感じになってきていると思うし。
一日、二日でなんとかならないことも、
一週間、一ヶ月、一年、10年、
と時間をかければ、
なんとかなることもあるだろう。
ただ、
10年も待っていたら死んでしまうよ!
と、現実的なタイムリミットは絶対にやってくるので、
何とかしてもっと早くできないだろうかと考えることは、
仕方がないことなのだけど、
早くなんとかしたい!
という気持ちは、
相手にとっては”誠実”には見えなかったりすることもあって、
”早くなんとかしたい!”って思えば思うほど、
そう簡単に何とかされてたまるものか!
と、反発する気持ちが沸いてくるのも、人間だったりすると思う。
ほんとうは、
あなたが心を開くかどうかに関わらず、私はいつでもいつまでもあなたのそばにいます、
というメッセージが、
全面的に”誠実”ということなんだと思うけど、
そこまではできないよなということで、
私もできる限り頑張りますので、私のできる限りのどこかで手をうってくださいよ、
と、思うのが現実。
そんな下心を持ちながら、
そんな下心を全くないかのように振る舞える人は、
「名優」にも似た、名看護師だなと思う。
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