脳神経外科看護師のブログ

アクセスカウンタ

zoom RSS 認知症 「不可解な行動」には理由がある 佐藤 眞一 第二章 認知症とは、いったいなんなのか?

<<   作成日時 : 2015/11/02 11:59   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0


この本のまとめその2。

認知症について勉強するのにとても良い本だなと思ったので、
何回かにわけて、私が勉強になったと思うところをまとめている。



第二章「認知症とは、いったいなんなのか?」より。

私たちがいての心を読む、すなわち推察することができるのは、「心の理論」が発達しているからですが、認知症になると心の理論が徐々に失われていくのです。
心の理論とは、他者の心の動きを推察したり、他者が自分とは異なる考えを持っていることを理解したりする能力です。言い換えれば、他者の行動や言葉の内容、話し方などの背景にある、思考や感情、性格、動機などを読み取ろうとする、私たちの対人関係上の特徴です。p58


他者の心の動きを推察したり、他者が自分とは異なる考えを持っていることを理解したりする能力、
というのは、
本当はとても高度な能力なんだと思う。

この能力がとても高度なものであるということを、
普通に生きていると忘れそうになるけど。




中高年にあるとよくある、「喉まで出かかっているのに、出てこない」という現象は、記銘と保持はできているけれど想起ができない状態であって、そのこと自体が記憶から失われてしまったわけではありません。そのため、ふとした拍子に「ああ、あの人は山田さんだった」などと、思い出せなかったことを思い出したりします。それに対して認知症の人の記憶障害は、記銘できない。すなわち覚えられないのです。「記憶力が悪くなった」という言い方では、想起ができない通常の物忘れと、記銘ができない認知症の人の記憶障害との区別がつかないため、心理学では記憶力という言葉は使いません。p63

想起する力も年を取ると衰えるわけだから、
喉まで出かかっているのに出てこないときには、
それが出てくるように努力して考えることが必要なんだろうなと思う。

そういうことがだんだんと増えてくると、少しがっかりするけど、
諦めずに。




認知症の人は、人ごみの中で立ち尽くしてしまったり、複数の人と同時に会話ができなくなったりしますが、それは必要な情報を選択して注意することができないのと同時に、不要な情報を抑制することができないからでもあります。
 分割的注意は、複数の物事に同時に注意を払うことで、日常生活においては車の運転や料理がその代表です。車の運転は、前方だけに注意していればよいというわけではなく、横から自転車が飛び出してこないかとか、後続車が追い越してこないかとか、さまざまな方向、さまざまなことに注意を分割していなければなりません。料理も同様で、鍋で煮物をしながら野菜を切ったり、炒め物をしながら別のおかずを盛りつけたりと、複数のことに注意を払わなければなりません。
 認知症の人は、分割的注意が低下するために、車の運転や料理などができなくなるのです。さらに、分割的注意が極度に低下すると、屋外での行動がほとんどできなくなります。道を歩くこと一つをとっても、段差や道路のでこぼこ、ほかの歩行者や自転車、車、ガードレールなど、さまざまなものに注意を分割する必要があります。これができないと危険を回避することができず、段差に気づかずに転んだり、前からきた人にぶつかったり、車にひかれてしまったりります。p83


このように考えてみると、
車を運転することだったり、料理をすることだったりは、
とても高度なことなんだけど、
やっている当人には、すごいことをしているようには感じられないのだろう。

脳に刺激を与えるには、
慣れてしまって簡単にできることよりも、
自分にとって難しいなと思えることをあえて行う必要もあるのかなと思う。




現在日本で使われている認知症薬

@塩酸ドネペジル(製品名:アリセプト)
軽度から重度のアルツハイマー型認知症用。アルツハイマー病などで減少する神経伝達物質アセチルコリンを分解する酵素アセチルコリンエステラーゼの働きを阻害する。それによって、アセチルコリンが分解されるのを防ぎ、脳内のアセチルコリンの濃度を上げて神経伝達をスムーズにする。

A臭化水素ガランタミン(製品名:レミニール)
経度から中等度のアルツハイマー型認知症用。アセチルコリンエステラーゼの働きを阻害するとともに、ニコチン性アセチルコリン受容体を増強し、その感受性を高めることによって、神経伝達をスムーズにする。

B塩酸メマンチン(製品名:メマリー)
中等度から重度のアルツハイマー型認知症用。レビー小体病に有効との報告あり。脳の興奮を引き起こすアミノ酸の一種・グルタミン酸が過剰に放出されるのを抑え、神経細胞が障害されるのを防ぐ。

Cリバスチグミン(製品名:リバスタッチパッチ、イクセロンパッチ)
軽度から中等度のアルツハイマー型認知症用の貼付薬。アセチルコリンエステラーゼの働きを阻害するとともに、病気の進行に伴って関与が高まるアセチルコリン分解酵素ブチリルコリンエステラーゼの働きも阻害し、神経伝達をスムーズにする。p108


この部分は自分の仕事のため。

認知症の薬は、
神経伝達物質のアセチルコリンに働きかけて、神経伝達をスムーズにするようなものがほとんどで、
脳細胞を復活させるみたいな、根本的な治療になりそうなものではないのだな。

そんな夢のような薬が生まれたら、すごいだろうなと思う。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
認知症 「不可解な行動」には理由がある 佐藤 眞一 第二章 認知症とは、いったいなんなのか? 脳神経外科看護師のブログ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる