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zoom RSS なぜ、「回想療法」が認知症に効くのか 感想6

<<   作成日時 : 2016/05/08 20:10   >>

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この本の感想、その6。



自分のこととして考えてみてください。ひとつは自分の身体が動かなくなり、物忘れも激しく、要介護3という介護度をもらって、「あなたは介護が必要な高齢者ですよ」と周囲から言われたとしましょう。子供たちからは、会えば困ったという顔をされる。日々、顔を合わせる介護スタッフたちは優しいときもあるけれど、急いでいる時はとてもぞんざいな扱いをされる。極めつきに「あなたのこれからのケア目標は、尿失禁を防ぐことです」と言われてしまった。これで、そうやってやる気が出るでしょう。
これはもう、無理というものです。
もうひとつは、たとえ真実は「要介護3」で半身不随、認知力も中等度認知症と言われる状態であったとしても、朝起きたら学校に行くとしましょう。
「おはようございます。今日も一日頑張りましょう」
という言葉とともに一日が始まり、何かしら新しい知識を得たり、読み書きそろばんの時間があって、時には家庭科の授業でちょっとした料理をして楽しく皆で食べてみる。
「今日一日頑張りましたね」
という言葉とともに一日が終わる。
この二つの生活の姿を比較して、人はどちらの世界に住みたいと思うでしょうか。p143


「学校」という言葉の響きには、どこか前向きで、未来がある人(子供、若者)が行くところだという隠された意味が感じられます。それが人を元気にするのです。

不思議なことに「自分は劣等生だったから、学校は嫌いだった」という高齢者の数はじつに少ないものです。古き良き時代、学校という「場」は、懐が深く、劣等生もガキ大将もどこかに居場所があったのでしょう。p146

学校が持つ「未来がある」という空気は、じつは社会貢献を実際に行うくらいに、もしかしたらそれ以上に、人の心をいきいきさせます。p159

「学校」という考え方を取り入れたデイケア。

「回想療法」という枠から少し外れている気がするけど、
学校という空間は、
人を前向きにする力があるのだなと思う。

この考え方をさらに進めて、
認知症の高齢者に対してだけでなく、
定年などで仕事を辞めた後にも、
再び「学校」に行くような制度があってもいいような気すらしてきた。




高齢女性にとって、働くとは家事労働。しかも、周囲の人たち、夫、姑などからの圧力下で耐えしのんで頑張った仕事です。仕事=耐えしのぶ=最悪のイメージなのです。p145

高齢の女性にとって、
「家事労働」というのはあまり思い出したくない場合もあるのですね。

その人にふさわしい回想空間を作り出すには、
その人の生きてきた歴史を良く知る必要があるのだなと思いました。




コンセプトは「意欲向上」「自己研鑽」「日々是鍛錬」!
こんな介護施設があったっていいんじゃないですか。p154


「邪魔者」と高齢者が感じるのは、一般社会の中での役割を与えてもらえないからです。役割のない人生に居場所はありません。これからの超高齢化社会は、高齢者がいくつになろうとも、また介護が必要になっても、社会の一員として責任ある大人として扱うべきなのです。そうすれば、高齢者はひとりの人間として初めて尊厳のある生き方を獲得できます。
優しい介護が彼らに尊厳を与えれるのではないのです。p158


その人の役割。

看護師として働いているときには、
あまり考えたことのないことでした。

たとえば、
終末期にあって、これから人生の最終段階を迎えるという人にも、
なにかの役割があるのかなと考えてみると、
確かに何かしら役割があるのだと思います。

おそらくその役割の一つは、
自分の人生を締めくくる姿を誰かに見せて、
そのことからその人になにかを感じてもらうという役割かなと。

この役割が、終末期にある当人にとって、
どのような意味を持つのかはよくわかりませんが。

その人の親しい人にとっては、
とても大きな意味があることなんだろうと思います。



もう一回続きます。

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